NEWS お知らせ
8月20日、高倉健氏(株式会社たかくら新産業 代表取締役社長)をお招きして、プラットフォーム最後の講演会「『なぜ私は起業するのか。』挫折から学んだビジネスのあり方とは」を開催しました。
【“白鳥”状態をリセットし、立ち返った原点】
高倉氏の事業は、百貨店への出店をきっかけに経営が悪化していきました。しかし、応援してくれる周囲の目を気にするあまりに失敗を認められず、撤退の決断がつかずに3年間も自転車操業を続けたそうです。高倉氏は当時を、「見た目は優雅だが、水面下で必死に水をかく白鳥のようだった」と振り返りました。
悩んだ末に撤退し、「自分が失敗しても、周囲は大して興味がないのだな」と実感した高倉氏。その後、ご夫婦ともに体調を崩されて入院したことで死生観が変わり、いままで自分のビジネスで本当に人が幸せになれたのだろうかと自らのミッションに立ち返ることで、存在意義をよく考え直してリスタートを遂げました。その後、コロナ禍の現在に至っても売り上げを伸ばし続けています。
【アフターコロナでのビジネスの在り方】
高倉氏は、緊急事態宣言後にECを強化する中で「このご時世に当社で買ってくれるお客さんに還元したい」との考えから、赤字になる可能性を指摘された上で、あえて送料を無料にする決断を下しました。その結果、売上が3倍に伸びたことを挙げ、「意義のあるビジネスを行っていれば必ず良い結果が返ってくる」と語ります。
「欧米では、社会貢献をする企業でなければ投資がされなくなっている。効率やスピードも大事だが、お客さんのことを真剣に考えて、パッションとロジカルの両輪を揃えながらいわゆる“綺麗ごと”のビジネスを作っていってほしい」と参加者へメッセージを送りました。
8月27日は、ゲストに白川智樹氏(株式会社アプリコット・ベンチャーズ代表取締役)をお呼びしてプラットフォーム最終イベント座談会「過去の経験からアップデートされた『ミッション→ハードル→ソリューションの整理』」を開催しました。
【仲間を集めるストーリー】
投資家としての視点から思わず投資したくなる起業家の人物像について、「ただ美しいストーリーだけを語るのではなく、行動力に裏打ちされたパッションがある人」とお話しされました。ご自身も独立して3年が経ち、いま一度ミッションを言語化し直しているそうです。参加者には「言葉の力を使ってパッションを伝えれば仲間が集まる。思わずファンになるような魅力的なストーリーを作っていってほしい」とアドバイスをいただきました。
座談会では過去の経験を踏まえて、今後やっていきたいことやその実現に向けて必要なことなどを改めて考えました。参加者からは「投資家の方の視点を伺えて、非常に役に立ちました」「初めて会う方に、自身のサービスを簡潔に分かりやすく伝えるエレベーターピッチの技術と、その事業をなぜ自分がやるのかという説得力が必要だと思いました」などの感想が寄せられました。
過去の失敗や困難に改めて向き合いながら、今後にどう生かしていくかを考えてきた全8回のイベントを通して、ミッションによって仲間を集める重要性、ミッションを言語化して魅力的なストーリーに仕上げることの大切さを学びました。イベント参加者には、確固たるミッションを作り上げ、失敗に負けないマインドと志を持った仲間づくりや事業を推進する基礎を確立するための機会となっていれば幸いです。
プラットフォームイベント報告一覧:
キックオフイベント報告